先日、都内で開催されました都民フォーラムに参加してきました。
都民フォーラムは東京都社会福祉協議会東京都高齢者福祉施設協議会の主催で開催され、今年は千代田区のイイノホールに都内高齢者施設関係者や都民の方あわせて300名を超える方が集いました。
「大都市東京の介護と暮らしを考える」をテーマに開催されたフォーラムでは、淑徳大学結城教授の基調講演をはじめ、自民党、公明党、民進党、共産党の国会議員を交えたシンポジウムなどで東京の介護や福祉等について様々な意見が出されました。
なかでも、大きな課題として取り上げられたのが「深刻な人材不足」です。
現在、都内介護職員の有効求人倍率は8倍を上回っています。これは、1人の介護職員を8つの施設が奪い合っているという状況です。厚生労働省が発表した平成28年4月の東京都における有効求人倍率(一般職業紹介状況)が2.02倍ですから、福祉・介護業界の人材確保がいかに厳しい状況であるかがわかります。
それにしても、どうして私たちの業界(福祉・介護)は人材不足に陥るのでしょうか。そんなに福祉や介護の仕事は魅力がないのでしょうか。
興味深いデータがあります。2013年に東京都高齢者施設福祉部会で行われた都民アンケート(20代から70代以上までの各年代200名ずつ計1800名)の中に福祉・介護分野で働くことについての質問がいくつかありました。その結果をいくつかご紹介します。
まず、「福祉・介護分野で働くことは社会にとって有益であるかどうか」という質問に対して「そう思う」「どちかかといえば、そう思う」という肯定的な回答が全体の73.6%に上っています。しかしながら一方で「福祉・介護分野は自分が働いたり、自分の子どもに働くことをすすめられる業界であるかどうか」という質問に対しては、「そう思う」「どちらかといえば、そう思う」と肯定的に答えた方は全体の23.6%にとどまります。さらに、「どの程度の年収があれば福祉・介護分野で働きたい、あるいは子どもを働かせたいと思いますか」という質問があり、その回答として、初年度の年収は「300~350万円」(平均は305.9万円)、10年程度の経験を積みキャリアアップした段階では「500~600万円」(平均は518.4万円)という回答が最も多いという結果となりました。
どうも福祉・介護分野が人材難となる原因は、そうしたアンケート結果からも読み取れるように、「お仕事としてはとても意義のあることだとは思うけど、実際に働くのは(働かせるのは)ちょっと・・・・。お給料もちょっと・・・・」というイメージがあるように感じられます。しかし、実際のところはどうなのでしょうか。
そこで次回は当法人の職員を例に、「社会福祉法人楽友会の福祉・介護分野で働くことの実態!」に迫ってみたいと思います。