福祉・介護分野で働く人について、当法人の職員を例にご紹介しています。
前回までに福祉・介護分野の人材不足や当法人で働く職員の概要などをご紹介してきました。
今回は「介護職は実際のところどんな職業なの?」という内容で当法人の介護職を例にしてお送りしたいと思います。
当法人の介護職は特別養護老人ホーム白楽荘、軽費老人ホーム偕楽荘、白楽荘在宅サービスセンター通所介護、訪問介護に在籍しています。それぞれの施設事業所において介護を主体とした業務に従事しますが、施設の特色により仕事の内容は異なります。
今回は、特別養護老人ホーム白楽荘に所属する介護職員(ケアワーカー)にスポットをあてご紹介したいと思います。
特別養護老人ホーム白楽荘に所属しているケアワーカーですが、どのような勤務時間で働いているのでしょうか。
ご存じのとおり、施設は365日24時間稼働しています。当然、ケアワーカーも途切れなく勤務する必要がありますので、シフト勤務で対応しています。白楽荘の場合、シフトは大まかに分ければ、早番、日勤、遅番、夜勤の4つです。
早番は朝7時台から夕方16時台まで、日勤は朝9時台から夕方18時台まで、遅番は朝10時台から夜19時台まで、夜勤は夕方17時から翌日の朝10時までとなります。
当法人の場合、1日8時間、週40時間の勤務が基本となります。正職員の場合、1週間の勤務でおおよそ3回の日中帯の勤務と1回の夜勤があり、夜勤明けの翌日のお休みとその他にもう1日のお休みがあるといった感じでしょうか。1週間の例をあげると以下のようになります。ちなみに当法人では正職員の年間休日数は118日となっています。だいたい毎月10日間(2月は8日間)のお休みがある計算となります。
≪特養ケアワーカー1週間のスケジュール例≫
月 早番勤務 7:30 ~ 16:30
火 日勤勤務 9:30 ~ 18:30
水 夜勤入り 17:00 ~
木 夜勤明け ~ 10:00
金 お休み
土 遅番勤務 10:30 ~ 19:30
日 お休み
仕事の内容はもちろん介護業務が中心となります。食事介護、入浴介護、排せつ介護、いわゆる三大介護と呼ばれる業務がイメージしやすいでしょうか。ただし、介護職というと、どうもそういった介助業務ばかりを1日中ずっと黙々としているイメージがあるようですが、実はそうでもないです。
例えば委員会や担当者会議等の話し合いに出席することや、介護記録の作成などの事務作業、ご家族との連絡調整や研修への参加などもあります。もちろん介護業務が中心ではあるのですが、その中でもご利用者との会話や見守りといった直接的介護業務以外の役割もたくさんあります。
また、介護に必要な物品の整理や車いすや介護ベッドなどの点検など環境整備も重要な仕事の一つです。それから、後進の育成も大きな役割でして、専門学校や大学などから受け入れている実習生への実習指導も介護職員には求められています。
白楽荘では入職してから徐々に仕事の幅を広げていくことになります。入職後1年2年目は先輩や上司からの指導を受けながら仕事を覚え、介護のスキルを磨いていきますが、3年目あたりからは役割も増えていきます。行事の担当になったり、委員会に所属してサービス向上に取り組んだり、担当ご利用者のケアプラン作成に関わったり、様々な面でサービスの中核を担うようになっていきます。
そして、いずれは介護支援専門員の資格を取得して法人の他事業所へ異動することもありますし、管理職となりゆくゆくは施設長になる道だってあります。ちなみに現在の白楽荘施設長は特養の介護職員出身です。
最近の特別養護老人ホームはご利用者の介護度が年々重度化しています。平成27年度の介護保険制度改正により、特養への入所要件が原則要介護1以上から原則要介護3以上に変わったことからも、ますます重度化が進んでいくでしょう。
そうしたなか、白楽荘は近年看取り介護に力を入れています。年々、ご本人やご家族からもそうした希望が増えてきていることもありますが、やはり、介護職員が最後までご利用者にかかわっていきたいという気持ちが強いのだと思います。そして、看取りを含め介護職員の専門性を活かし活躍できる職場として、介護職員の処遇については大きな変革期に入っているのかもしれません。
もちろん、当法人でも白楽荘をはじめ、法人全体でよりよい介護職員の育成とサービスの向上に取り組んでいきたいと考えています。
さて次回は、当法人介護職員の年齢構成や少し気にある介護職員のお給料などについて取り上げてみたいと思います。