前回のブログでは都民フォーラムで取り上げられた福祉・介護分野における人材不足に関連して、2013年に行われた都民アンケートの結果などをご紹介しました。
今回からは、「さて、実際のところはどうなんだろう?」ということで、当法人の職員を例に「福祉・介護分野で働くことの実態」を探っていきたいと思います。
そこで、まずは当法人、社会福祉法人楽友会で働く人について簡単に概要をご紹介します。
当法人はこのホームページでもご紹介していますとおり、特別養護老人ホームをはじめいくつかの施設事業所を有しています。それらの職員総数は正職員と非常勤職員あわせて184人(平成28年3月末時点)です。
大まかに仕事の内容で分類してみますと、次のとおりです。
○ 介護職員(ケアワーカー、ホームヘルパー)
文字通り介護に従事する職員です。特別養護老人ホームやデイサービス、訪問介護や軽費老人ホームなどで活躍しています。ご利用者に一番近くに存在し、日々の生活支援に従事します。当法人で介護職員の多くが介護福祉士という国家資格を所持しています。総数は118名です。
○ 相談職員(相談員、ケアマネジャー等)
特別養護老人ホームなどの施設や居宅介護支援事業所、地域包括支援センターなどでご利用者やご家族の相談に対応したり、ケアプランを作成したりといった業務に従事しています。多くの職員が介護支援専門員や国家資格である社会福祉士、精神保健福祉士といった資格を所持しています。当法人では16名の相談職員が活躍しています。
○ 看護職員(看護師、准看護師)
特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、デイサービス、そして地域包括支援センターに配属されています。総数は11名です。特別養護老人ホームではご利用者の看護ケアを中心に、軽費老人ホームではご利用者の健康管理、デイサービスでは機能訓練等に、そして地域包括支援センターでは相談支援業務に従事しています。
○ リハビリ職員(理学療法士、言語聴覚士、マッサージ師)
特別養護老人ホームで機能訓練業務に取り組んでいます。ご利用者の身体機能維持や楽しくリハビリに取り組める工夫など施設内での役割は様々です。他職種との連携をはかり専門知識をいかしてご利用者支援を行っています。現在の職員数は3名です。
○ 栄養職員(管理栄養士)
特別養護老人ホームと軽費老人ホームにそれぞれ1人ずつ配置されています。それぞれの施設ご利用者が安心して安全に食事を楽しめるように、献立や調理の工夫などに取り組んでいます。
○ 事務系職員(事務、清掃洗濯、施設管理、ドライバー)
施設を運営するためには直接的にご利用者にサービスを提供する職員以外にも様々な役割を持った職員がいます。施設の管理業務や清掃業務に従事するスタッフや経理、人事、企画等の事務職員などがあります。また、ご利用者の移送や送迎などで活躍するドライバーも在籍しています。総数は34名です。
いかがでしょうか。社会福祉法人で働く人と一口にいっても多様な専門職と施設運営を支える事務職とその構成はバラエティに富んでいます。
様々な養成ルートで専門性を学んできた職員が、ひとつの目的のために集う場所。それが福祉・介護の仕事の世界です。
そして現在、特に深刻な人材不足といわれているのが介護職。東京においては有効求人倍率が8倍を超える状況です。確かに当法人においても、新卒採用や中途採用に苦労をすることが多々あります。
介護福祉士の資格を有していても、実際には介護職員として従事していない、いわゆる「潜在的介護福祉士」などという言葉も聞きます。それほど介護は魅力のない職業なのでしょうか。
次回は当法人の介護職員に焦点を当ててみたいと思います。